大阪で注文住宅を建てるなら知っておきたい!住宅ローン負担を「家賃収入」で軽減する賃貸併用住宅の賢い建て方

大阪で理想のマイホーム、特に自分たちのこだわりを詰め込んだ注文住宅を建てたいとお考えの方は多いのではないでしょうか。
しかし、土地の価格や建築費用を考えると、どうしても月々の住宅ローン返済が大きな負担としてのしかかります。

「もっと返済を楽にする方法はないだろうか?」
「将来の資産形成も同時に考えられないか?」

もし、あなたがそのようなお悩みをお持ちなら、「賃貸併用住宅」という選択肢を検討してみませんか?
これは、自宅の一部を賃貸スペースとして貸し出し、そこから得られる家賃収入を住宅ローンの返済に充てるという、非常に賢い家づくりの方法です。

この記事では、不動産全般を手がける私たちだからこそお伝えできる、大阪での賃貸併用住宅のメリット・デメリットから、成功させるためのエリア選び、失敗しない間取りのポイントまで、詳しく解説していきます。
大阪で注文住宅を建てる新しい可能性として、ぜひ最後までご覧ください。

そもそも賃貸併用住宅とは?

「賃貸併用住宅」という言葉を初めて聞いた方もいらっしゃるかもしれません。
まずは、その基本的な仕組みについて理解を深めましょう。

注文住宅の一つのカタチ

賃貸併用住宅は、特別なものではなく、あくまで注文住宅の一つのスタイルです。
一つの建物の中に、「オーナーが住む自宅部分」と「第三者に貸し出す賃貸部分」が共存している住宅のことを指します。

例えば、1階を賃貸用のワンルーム2部屋にし、2階と3階をオーナーの居住スペースにするといった形が一般的です。
もちろん、これは一例であり、土地の形状やオーナーのライフプランに合わせて、自由に設計できるのが注文住宅ならではの魅力です。

自宅とアパートが一体化した住宅

簡単に言えば、「マイホーム」と「アパート経営」を一つの建物で実現するのが賃貸併用住宅です。
通常、不動産投資としてアパートを建てる場合は、自宅とは別に土地を探し、事業用のアパートローンを組む必要があります。

しかし、賃貸併用住宅であれば、自宅を建てるのと同じプロセスの中で、収益性をプラスすることが可能です。
特に、利便性の高い大阪の都心部で注文住宅を建てたいけれど、土地代や建築費がネックになっているという方にとって、非常に合理的な解決策となり得ます。

大阪で賃貸併用住宅を建てる5つの大きなメリット

では、具体的に賃貸併用住宅にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
大阪で注文住宅を建てる際にこの選択肢がなぜ有利なのか、5つのポイントに絞って解説します。

メリット1:住宅ローン負担を家賃収入で軽減できる

これが最大のメリットと言えるでしょう。
例えば、毎月の住宅ローン返済額が15万円だったとします。もし、賃貸部分から月々8万円の家賃収入があれば、実質的なローン負担は7万円にまで軽減されます。

この家賃収入のおかげで、ワンランク上のエリアに住めたり、建物にもっと費用をかけて理想の設備を導入したりと、大阪での注文住宅づくりの可能性が大きく広がります。
ローン完済後には、家賃収入がそのまま安定した私的年金となり、将来の生活にも大きな安心感をもたらしてくれます。

メリット2:条件次第で「住宅ローン」が利用できる

通常、アパートなどの収益物件を建てる際には、金利が比較的高い「アパートローン」を利用するのが一般的です。
しかし、賃貸併用住宅の場合、一定の条件を満たすことで、金利が低い「住宅ローン」を利用できる可能性があります。

アパートローンとの違い

住宅ローンを利用するための一般的な条件として、「建物の総床面積の50%以上がオーナーの居住スペースであること」が挙げられます。
つまり、自宅部分が賃貸部分よりも広ければ、建物全体に対して住宅ローンを適用できる金融機関が多いのです。

金利が低い住宅ローンを使えるということは、それだけ総返済額を抑えられるということであり、収益性を大きく向上させる重要なポイントになります。

メリット3:相続税対策として有効

賃貸併用住宅は、将来の相続を考えたときにもメリットがあります。
現金や更地のまま土地を相続するよりも、賃貸物件が建っている土地(貸家建付地)は相続税評価額が低くなるため、節税効果が期待できます。

また、住宅ローンもマイナスの資産として相続財産から控除できるため、トータルで見て大きな相続税対策となるのです。
大阪市内の価値ある土地を、賢く次世代に引き継ぐための有効な手段と言えるでしょう。

メリット4:ライフスタイルの変化に対応しやすい

人生には様々な変化が訪れます。
例えば、子どもが独立して夫婦二人だけの生活になった場合、賃貸部分をリフォームして二世帯住宅にしたり、趣味の部屋や仕事部屋として活用したりすることも可能です。

逆に、当初は自宅として使っていた部分を将来的に賃貸に出す、といった柔軟な使い方も考えられます。
このように、家族構成やライフスタイルの変化に合わせて住まいを最適化できる点は、長く住み続ける注文住宅において非常に大きな強みです。

メリット5:万が一の時も安心のオーナー住居

アパート経営では、オーナーは別の場所に住んでいるのが一般的です。
しかし、賃貸併用住宅なら、オーナー自身が同じ建物に住んでいるため、建物の維持管理がしやすく、入居者の様子も分かりやすいため安心です。

何かトラブルがあった際にも迅速に対応できるため、入居者からの信頼も得やすく、結果的に安定した賃貸経営に繋がります。
これは、入居者側にとっても「大家さんが近くにいてくれる安心感」というメリットになり、空室リスクの低減にも貢献します。

知っておくべき賃貸併用住宅のデメリットと対策

もちろん、賃貸併用住宅にはメリットばかりではありません。
計画段階でデメリットもしっかりと理解し、対策を講じておくことが、後悔しない家づくりのために不可欠です。

デメリット1:入居者が見つからない「空室リスク」

家賃収入を前提に資金計画を立てるため、入居者が見つからなければ計画が崩れてしまいます。これが最大のリスクです。
特に、周辺の家賃相場や賃貸需要を無視した家づくりをしてしまうと、長期間の空室に悩むことになりかねません。

対策:徹底したエリア選定と魅力的な部屋づくり

このリスクを回避するためには、何よりも「土地選び」が重要になります。
駅から近いか、周辺にスーパーやコンビニはあるか、学生や単身赴任者など、どんな層の需要が見込めるエリアなのか。
プロの視点で賃貸需要を徹底的にリサーチすることが成功の鍵です。

また、周辺の競合物件を調査し、それらよりも少しでも魅力的な設備(無料Wi-Fi、独立洗面台、浴室乾燥機など)を備えることで、選ばれる物件にすることができます。

デメリット2:プライバシーの確保が難しい

同じ建物に入居者と住むことになるため、プライバシーの確保は非常に重要な課題です。
生活音が気になったり、玄関先で顔を合わせるのがストレスになったりする可能性もゼロではありません。

対策:間取りや動線の工夫

設計段階で、オーナーと入居者の生活動線が極力交わらないように工夫することが大切です。
・玄関や郵便受けを完全に分離する
・お互いの窓が向かい合わないように配置する
・バルコニーの向きをずらす
といった配慮で、プライバシーの問題は大きく解消できます。
音の問題に関しても、壁や床の遮音性を高めることで、快適な生活環境を保つことが可能です。

デメリット3:建築コストが高くなる

一般的な注文住宅と比較して、賃貸併用住宅は玄関や水回り(キッチン、トイレ、浴室)などを複数設置する必要があるため、建築コストはどうしても高くなる傾向にあります。

対策:適切なプランニングと資金計画

どこにコストをかけ、どこをシンプルにするか、メリハリのあるプランニングが重要です。
例えば、賃貸部分の設備は耐久性が高くメンテナンスしやすいものを、自宅部分にはこだわりの設備を、といった形でコストをコントロールします。

また、家賃収入を考慮に入れた長期的な資金計画を立て、無理のない返済プランを組むことが何よりも大切です。

デメリット4:売却がしにくい可能性がある

賃貸併用住宅は、一般的なファミリー向けの住宅を探している人にとっては選択肢に入りにくいため、通常の住宅に比べて売却の難易度が少し上がることがあります。

対策:将来を見据えた設計

対策としては、「投資用物件」として売却することも視野に入れた設計をすることです。
賃貸部分の収益性が高ければ、不動産投資家が購入してくれる可能性が高まります。
また、将来的に二世帯住宅としても使えるような間取りにしておくことで、売却先のターゲットを広げることができます。

【重要】大阪で賃貸併用住宅を成功させるためのエリア選定

賃貸併用住宅の成否は、8割が「立地」で決まると言っても過言ではありません。
ここでは、大阪で注文住宅を建てる際に、賃貸経営という視点でどのようなエリアを選ぶべきか解説します。

なぜエリア選定が最重要なのか?

建物は後からリフォームできても、土地の場所は変えられません。
安定した家賃収入を得るためには、将来にわたって賃貸需要が見込めるエリアを選ぶことが絶対条件です。
駅からの距離、周辺環境、そして大阪全体の都市開発の動向などを総合的に判断する必要があります。

大阪府内で賃貸需要が見込めるエリアの特徴

大阪市内:単身者・DINKSに人気のエリア

やはり最も賃貸需要が高いのは大阪市内です。
特に、梅田や難波、天王寺といった主要ターミナル駅へのアクセスが良いエリアは、交通の利便性を重視する単身者や共働きの夫婦(DINKS)から絶大な人気を誇ります。
中央区、北区、西区、天王寺区などは家賃相場も高いですが、その分、高い収益性が期待できるでしょう。

北摂エリア:ファミリー層に安定した人気のエリア

吹田市、豊中市、箕面市といった北摂エリアは、良好な住環境や教育水準の高さから、昔からファミリー層に非常に人気があります。
単身者向けだけでなく、少し広めの1LDKや2LDKといった間取りの賃貸部分を設けることで、安定した長期入居が見込めるでしょう。
大阪市内へのアクセスも良く、バランスの取れたエリアです。

東大阪・八尾エリア:大学や工場が多く学生・社会人需要が見込める

東大阪市や八尾市周辺は、大学のキャンパスや多くの町工場が集積しており、学生や単身の社会人からの賃貸需要が根強いエリアです。
比較的土地の価格も抑えめなため、利回りを重視した賃貸併用住宅を建てやすいというメリットがあります。
エリアの特性を理解し、ターゲットに合った部屋づくりをすることが重要です。

土地探しのチェックポイント

良い土地を見つけるためには、以下のポイントを意識して探しましょう。

チェック項目 確認するべき内容
交通の利便性 最寄り駅まで徒歩10分以内が理想。複数の路線が利用できるとさらに良い。
周辺の生活環境 スーパー、コンビニ、ドラッグストア、飲食店などが徒歩圏内にあるか。
用途地域 住宅を建てられる地域か、建ぺい率・容積率はどのくらいかを確認する。
道路付け 土地が接している道路の幅員。工事車両が入れるか、駐車場の作りやすさに関わる。
ハザードマップ 洪水や地震などの災害リスクがないかを自治体のハザードマップで確認する。

失敗しない!賃貸併用住宅の間取りと設計のポイント

土地が決まったら、次はいよいよ設計です。
オーナーと入居者の双方が快適に暮らせる間取りを考えることが、長期的な成功に繋がります。

自宅部分と賃貸部分の最適な割合

前述の通り、住宅ローンを利用するためには、自宅部分の面積を50%以上にするのが一般的です。
これを踏まえた上で、土地の広さや形状(建ぺい率・容積率)を最大限に活かし、自宅の居住性と賃貸部分の収益性のバランスを取ることが重要です。

例えば、3階建てにするなら、1階を賃貸、2階と3階を自宅にするといった分離がしやすく、プライバシーも確保しやすいでしょう。

プライバシーを確保する動線の考え方

玄関やアプローチを完全に分離する

最も重要なポイントです。建物の左右や前後で玄関の位置を分け、アプローチ(玄関までの通路)も完全に別にしましょう。
これにより、お互いの出入りが気にならなくなり、ストレスを大幅に軽減できます。

窓の位置やバルコニーの向きを工夫する

設計段階で、お互いの部屋の中が見えてしまうような窓の配置は絶対に避けるべきです。
また、バルコニーも隣り合わないように、あるいは目隠しを設置するなどして、プライベートな空間を確保する配慮が必要です。

騒音トラブルを防ぐための設計

共同住宅で最も多いトラブルが「音」の問題です。
特に、賃貸部分が上階にある場合、オーナーの住居に足音などが響きやすくなります。

・自宅と賃貸部分の間仕切り壁や床の遮音性能を高める
・水回りの配置を工夫し、寝室の上などにトイレや浴室が来ないようにする

といった設計上の工夫で、音のトラブルは未然に防ぐことができます。
建築コストは少し上がりますが、後々の快適性を考えれば、必ずやっておくべき投資です。

賃貸併用住宅の建築費用と資金計画シミュレーション

最後に、気になる費用と資金計画について見ていきましょう。

一般的な大阪の注文住宅との費用比較

あくまで一例ですが、一般的な注文住宅と賃貸併用住宅の建築費を比較してみましょう。

項目 一般的な注文住宅(35坪) 賃貸併用住宅(自宅30坪+賃貸20坪)
本体工事費 約2,800万円~ 約4,000万円~
付帯工事費・諸費用 約700万円~ 約1,000万円~
合計 約3,500万円~ 約5,000万円~

※上記はあくまで目安です。仕様や立地条件により変動します。

簡易収支シミュレーション

では、上記の5,000万円を全額住宅ローン(金利1.5%、35年返済)で借り入れた場合のシミュレーションをしてみましょう。

・毎月のローン返済額:約15.5万円

次に、賃貸部分(1LDK×2部屋)から得られる家賃収入を想定します。
仮に、1部屋あたり月々7万円の家賃で貸し出せたとすると、

・毎月の家賃収入:7万円 × 2部屋 = 14万円

これにより、実質的な毎月のローン負担額は、

・15.5万円(ローン返済) - 14万円(家賃収入) = 実質負担 1.5万円

いかがでしょうか。
5,000万円という大きな借入をしたにもかかわらず、月々の実質的な負担をここまで抑えることが可能です。
もちろん、固定資産税や管理費、修繕積立金などの経費は別途かかりますが、それを差し引いても、家賃収入がもたらすメリットの大きさがお分かりいただけるかと思います。

まとめ:賢い選択で、大阪での理想の注文住宅を実現しよう

今回は、大阪で注文住宅を建てる際の新しい選択肢として、「賃貸併用住宅」をご紹介しました。

・家賃収入で住宅ローンの負担を大幅に軽減できる
・条件次第で低金利の住宅ローンが使える
・相続税対策やライフプランの変化にも対応しやすい

といった多くのメリットがある一方で、

・空室リスクやプライバシーの問題
・建築コストが割高になる

といったデメリットも存在します。

これらのデメリットを克服し、賃貸併用住宅を成功させるためには、賃貸需要の高いエリアを見極める「土地探しの専門知識」と、オーナーと入居者の双方に配慮した「設計のノウハウ」が不可欠です。
つまり、依頼する住宅会社のパートナー選びが非常に重要になるのです。

大阪で注文住宅を建てたいとお考えで、賃貸併用住宅という選択肢に少しでも興味を持たれた方は、ぜひ一度私たちにご相談ください。土地探しから資金計画、そして収益性を最大化する設計まで、不動産のプロフェッショナルとして、あなたの理想の家づくりをトータルでサポートさせていただきます。